ロワール地方は、大きく分けて4つの地区に分かれ、それぞれ特色あるワイン作りをしています。その特色をみていきましょう。
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■ナント地区 |
ナント地区は、ロワール河の下流地域にあたり、ナント市を中心に広がっています。
ここは、1709年に大寒波があってブドウの木が全滅してしまい、それ以降、寒さに強い「ムスカデ種(別名:ムロン・ド・ブルゴーニュ)」を植えて今日に至っています。
■主なAOC
●ミュスカデ(Muscadet)
●ミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌ(Muscadet de Sevre et Maine)
●ミュスカデ・デ・コトー・ド・ラ・ロワール(Muscadet des Coteaux de la Loire)
ミュスカデはなかでも比較的、しっかりしたタイプ。
そして、最も生産量が多いのがミュスカデ・ド・セーヴル・エ・メーヌです。
ヤギの乳で作られた酸味の特徴的な「シェーブルチーズ」等とあわせると、さわやかにいただける組み合わせです。
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■アンジュ・ソーミュール地区 |
<この地区で特徴的なのは、なんといってもアンジュ・ロゼといわれるロゼワインです。
生産比率も「白ワイン約35%、赤ワイン約20%、ロゼワイン45%」と、ロゼワインの比率が多いのです。
アンジュ・ロゼは、ブドウ果汁の風味が残るような、ちょっと甘口でフルーティな飲み口で、辛口のタヴェル・ロゼと比べてみるのもまた一興です♪
また、ソーミュール地区では、貴腐ワインもつくっています。 ボルドーのソーテルヌ地区やバルザック地区の貴腐ワインに比べ、さわやかで軽やかな甘口白ワインとなっています。
価格もソーテルヌやバルサックに比較すると、試しやすい価格帯になっていますよ。
■主なAOC
【赤・白・ロゼ】
●アンジュ(Anjou)
●ソーミュール・シャンピュニー(Saumur Champigny)
【ロゼ】
●カベルネ・ダンジュ(Cabernet d’Anjou)
【甘口白ワイン】
●コトー・デュ・レイヨン(Coteaux du Layon)
●コトー・デュ・レイヨン・ショーム(Coteaux du Layon Chaume)
●カール・ド・ショーム(Quartes de Chaume)
●ボンヌゾー(Bonnezeaux)
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■トゥーレーヌ地区 |
ロワール河の中流地区です。
ここでは、現地で「ピノ・ド・ラ・ロワール」と呼ばれるシュナン・ブランが生産されていますが、このブドウは天候の違いによって「すっきり辛口」から「しっとり極甘口」まで味を変えるちょっと面白いブドウです。
また、赤ワインは、カベルネ・フランで作られるシノン(Chinon)を始め、鮮やかなルビー色の軽やかなワインをつくります。
さらにスパークリングワインも有名で、
ヴーヴレやモンルイなどでヴァン・ムスー(気圧の低いスパークリング)ではない、通常のスパークリングをつくっています。
これもシャンパーニュ地方に比べると、軽くてさわやかな味わい。
さらにシャンパーニュ地方よりも値段は安いので、スパークリングワインとしては狙い目です。
また、他にもヴァン・ムスー、クレマン・ド・ロワール、そして微発泡のペティヤン(2.5気圧)など、様々なスパークリングワインをつくっています。
■主なAOC
●シノン(Chinon)
●ブルグイユ(Bourgueil)
●サン・ニコラ・ド・ブルグイユ(St-Nicola-de-Bourgueil)
●ヴーヴレ(Vouvray)
●モンルイ(Montlouis)
●トゥーレーヌ(Touraine)
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■中央フランス地区 |
ロワール地区では、この地区だけ白ワインのブドウ品種が「ソービニョン・ブラン」になります。
ボルドーの白ワインでも使われている品種ですが、ロワールのソービニョン・ブランのほうがよりさわやかな印象です。
それは、この地区(特にプイィ・フュメ地域)が、キンメリジャンと呼ばれる石灰質土壌に覆われているためで、これによって酸味の切れ味がよくハーブの香りが豊かなさわやかなワインができます。
有名なところでは、サンセール(Sancerre)。
赤、白、ロゼを作っていますが、レモンのようなすっきりした香りと軽快な味わいの白ワインが最も日本に入ってきています。
プイィ・フュメ、サンセールともにワインの値段は2000~4000円ですが、探すと1500円前後のものがあります。その価格でも十分楽しめますので、見つけたら買い!かも。。。
■主なAOC
●プイィ・フュメ(Pouilly-Fume)
●サンセール(Sancerre)
●ルイィ(Reuilly)
●ムヌトゥ・サロン(Menutou-Salon)
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